4月の読書会です。今回は「スピリチュアリズムの思想体系Ⅰの人間観」」と、「スピリチュアリズムニューズレター17号の霊的視野を身につけましょう――地上世界のすべてを、霊的視点から見るのがスピリチュアリズムの基本です」の二つから学びました。
人間は肉体を携えた霊的存在です。地上の人間を構成する物質次元の要素は、肉体と肉の心(肉体本能)の二つがあります。地上の人間を構成する霊的次元の要素としては、霊体と霊の心(魂)と霊の三つがあります。地上の人間を構成する要素は大きく霊的要素と物質的要素の二つに分けられますが、この二つは波動・次元が異なるので、同一の場に重複して存在することができます。言い換えると私たち地上の人間は、今この瞬間も地上と霊界(あの世・死後の世界)の双方をまたいで生きる特殊な状態にあるとも言えるのです。棺桶に片足を突っ込んでいる、などと言われますが、現実の地上の人間は、生まれてから死ぬまで片足をあの世に突っ込んで生活している様なものなのです・・・
地上の人間を構成する物質次元の存在である肉体は、誰の目にも見ることができます。人間が肉体を使って地上次元・物質次元で表現される声、性格、様々な才能などの特性や個性も、感じ方の差はあるかもしれませんが、人々は感じることができます。地上の人間を構成する霊的要素としては霊と霊の心(魂)と霊体があります。これらは純粋な霊的要素と言えます。霊と霊体は人間の目・肉体の目には見ることができません。霊視能力という特殊な能力を持った人間は霊体を見ることができます。また、肉体と霊体から放出されるオーラも人間の目・肉体の目には見ることができませんが、霊視能力を持った人間には見ることができます。ほとんどの霊視能力者は霊体オーラと肉体オーラを一つのオーラとして認識しているそうです。
人間を構成する五つの要素を、形・形態の有る無しで分けると、霊体と肉体の二つは形あるものに分類されますが、霊と霊の心(魂)と肉の心(肉体本能)は、形・形態がありません。
人間の心・意識については、突き詰めると現代科学でも謎とされます。人間の意識は顕在意識と潜在意識に分けられますが、潜在意識とは何なのか?ということについて現代科学・医学では解明できていないのです。潜在意識に対する正しい認識・理解はシルバーバーチの霊訓によって示された霊的真理によってしかなされないのです。
人間の心について考えるうえで、まず人間は霊的存在である!という事実を大前提とする必要があります。現代医科学で謎とされる潜在意識とは人間を構成する五つの要素の中の霊の心・魂のことを指します。潜在意識・霊的意識が人間の肉体的要素である脳を介してその一部だけが、顕在意識として表現されることになります。肉体的要素である脳は霊的意識の物質次元での受信機であると同時に、肉の心・肉体本能の発生器官でもあります。霊的意識の一部と肉体本能はどちらも人間の顕在意識を構成しますが、この二つの意識は意識として正反対といえる方向を志向します。霊的意識は利他性・奉仕性の精神を発露します。肉体本能は利己性として表現されます。
人間は肉体を携えた霊的存在ですが、肉体・肉体本能による精神の束縛は非常に強いものです。本来の人間の潜在意識・霊的意識はとても大きく美しいものですが、霊的要素・霊的存在よりもはるかに小さくて劣る物質器官の脳を介して表現する、という大きな制約の中にあって、霊的意識は僅かしか顕在化することができないのです。そうした厳しい霊的条件の中で生きるのが地上人の宿命なのです。
本質的に人間は霊が優位である存在です。肉体は有限で霊は永遠不死の存在であることからもそれが解ります。しかし、ほとんどの人間が霊的無知の状況にある地球においては、自身が霊的存在であり、霊である自分自身が一時的にこの自身の肉体を神から与えられた!ということが解らないのです。結論を言うと、地上人生の目的は自身の霊を成長させることです。地上人生において霊を成長させることには、大きな困難が伴います。先述しましたが、地上人生において霊的意識を顕在化することには大きな困難が伴います。それでも、その霊的意識を可能な限り維持し、可能な限り広く深く表現・顕在化させる努力が霊的成長のためには不可欠なのです。
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後半では、スピリチュアリズムニューズレター17号の霊的視野を身につけましょう――地上世界のすべてを、霊的視点から見るのがスピリチュアリズムの基本です」から学びました。人間の本質が霊的存在であること、地上人生の目的が自身の霊を成長させることであるのは、私たちスピリチュアリストにとっては当たり前のことになっています。しかし、その霊的成長を成し遂げることの困難さは身に染みて感じているのも事実です。「地上世界のすべてを、霊的視点から見るのがスピリチュアリズムの基本です」とありますが、まさにそうなのだと改めて実感し、反省し、立ち返る機会になりました。内容を整理してみたいと思います。
霊的真理から得られる3つの宝・恩恵を、他の地上人に先駆けて与えられたことがわかりました。3つの恩恵は以下です。
①これまで地上人類が知ることのなかった「新しい霊的知識」を手にすることができたということ
②「新しい霊的視野・霊的視点」を得ることができたということ
③「霊的成長のための実践的知識」を手にすることができたということ
地上人に正しい霊的視野を持たせ、自分の考えを霊的真理に添わせ、地上人類が霊的成長の道を歩めるように導くことが霊的真理が降ろされた目的であり、神の意志であり、イエスと高級霊団の意志でもあるのだと感じました。自身の考え方を霊的真理に添わせるための最高の指針がシルバーバーチの霊訓であり、霊的真理そのものもシルバーバーチの霊訓に示されているのです。霊的真理を持っているということは、シルバーバーチの霊訓に記されている霊的真理に対して、真実性を確信していることだと思います。シルバーバーチの霊訓には霊的真理が記されており、霊的視野を持つことで自らを霊的真理に添わせるための指針も記されているのです。地上人生においては、そのための意識的な努力ができるかどうかで霊的な生き死に、魂の生き死にへと直結するのだと感じました。
また、霊的視野を持つには基本的な霊主肉従が必要不可欠なのだ、ということも改めて感じさせられました。物欲・肉欲などを霊的意識の下でコントロールする基本的な霊主肉従ができたうえでなければ、霊的視野ですべてを眺めることなどとてもできないのだと痛感しています。ニューズレターの17号をじっくりと読んだのはかなり久しぶりでしたが、その正しさは以前に読んだ時から変わらなく感じました。内容も変わることのない厳しく高いハードルなのですが、以前よりも魂に染み入り、前向きに受け取り実践できているように感じることができました。どこまでも高い厳しいハードルですが、それが地上人生であり、霊的実現のためなの地上人生なのだと、これまでよりも大きな視野で前向きに受け止めることができたように思います。
霊的真理を手にし、霊的視野を持つための指針・努力目標を得られたことは地上人生において最高の幸せを手にしたことなのだと確信しています。「霊的視野を身につけることは、本当のスピリチュアルな能力を持つこと、この世の霊能者以上の力を持つこと」とありますが、私もそうなのだと思います。世の中には多くの霊能力者がおられると思いますが、そうした神から与えられた霊能力・天賦の才も霊的真理を知らなければその才能を伸ばし、人々のために役立てることはできないと私は確信しています。世の中におられる優れた霊性・奉仕性にあふれる成熟した魂の持ち主も、霊的に若い未熟な魂の持ち主にとっても、霊的真理は完璧で最高の人生の道しるべなのだと改めて感じることができました。霊的視野を持つために必要不可欠なものが霊的真理です。霊的真理を学び信仰実践の道を歩めることに、改めて感謝の思いでいます。
霊的視野を日常において定着させるために、神と霊界と霊達、地上世界・地球、地球上の出来事・ニュース、家族、まわりの人々、自分自身、自分の人生とライフワーク、苦しみ・困難、寂しさ・孤独、死を迎える人、自分の死、こうしたことに対して霊的視野で見ましょう。とありますが、どれも非常に大切な項目だと思います。それぞれの項目に対して深い霊的視野で見つめ、解りやすい平易なお言葉で導いてくださる内容です。そして、こうしたことへ対するにあたり、親なる神への信仰と祈りが大きな力になるのだと、改めて感じることができました。読書会主催者としても、一人の人間としても課題が満載ですが、その先にはさらなる成長と奉仕への道があるのですから、これからも挑戦していこうと思いを新たにできる機会となりました。
以下は、今回、活用した資料へのリンクです。
①思想体系Ⅰの人間観 ↗
②スピリチュアリズムニューズレター17号 霊的視野を身につけましょう ―― 地上世界のすべてを、霊的視点から見るのがスピリチュアリズムの基本です ↗
※リンクと資料の使用に関しては、スピリチュアリズム普及会の許可を得ています。
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